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NO.019

不動産売却時の確定申告の流れ

不動産売却時の確定申告の流れ

#不動産基礎知識

不動産売却時の確定申告の流れ

2025.1.23
2025.1.23

不動産を売却した際、譲渡所得が発生すると確定申告が必要になります。その際の確定申告の流れを以下にまとめます。

譲渡所得の計算

まず、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)を計算します。譲渡所得は以下の式で計算されます。

譲渡所得 = 売却代金 -(取得費 + 譲渡費用)

 

■ 売却代金 : 不動産を売却した価格

■ 取得費 : 不動産の購入価格や、購入時の仲介手数料・登記費用など

■ 譲渡費用 : 売却にかかる仲介手数料や測量費など

特別控除の適用

場合によっては、特別控除を適用することができます。以下は主な控除の例です。

 

  • 3,000万円の特別控除 : 自宅(居住用財産)を売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる制度。
  • 特定の買換えの特例 : 売却後に別の住宅を買い替えた場合、譲渡益に対して課税を繰り延べできる特例。
  • 長期譲渡所得の軽減税率 : 所有期間が5年を超える場合、税率が軽減されます。

 

短期譲渡所得 長期譲渡所得
所有期間5年以下 所有期間5年超 所有期間10年超
6000万円以下の部分 6000万円超の部分
所得税の税率 30% 15% 10% 15%
住民税の税率 9% 5% 4% 5%
合計
(譲渡所得税率)
39% 20% 14% 20%

 

税額の計算

譲渡所得に対して課される税額を計算します。税率は以下の通りです。

 

■ 短期譲渡所得 (不動産の所有期間が5年以下):所得税30%、住民税9%

■ 長期譲渡所得 (不動産の所有期間が5年超):所得税15%、住民税5%

 

※*復興特別所得税が加算される場合もあります。

*復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興を目的として課される特別な税金のこと。2013年から2037年まで、所得税に対して課税され、所得税額に対して2.1%が追加されます。この税は、給与所得や退職所得、不動産の譲渡所得など、幅広い所得に対して適用されます。

また、不動産取引や権利の移転に関する登記手続きでは、取引や契約の実行日(契約日や実行日)や、当事者(売主や買主など)の情報(氏名、住所、法人の場合は法人名など)が重要です。登記のために必要となる書類には、以下が一般的です。

  • 売買契約書 : 売主と買主の間の契約書
  • 贈与契約書 : 贈与者と受贈者の間の契約書
  • 遺産分割協議書や遺言書 : 相続に関する取り決めを記したもの
  • 抵当権設定契約書 : 借入金の担保として不動産に設定される抵当権に関する契約書
  • 所有権移転承諾書 : 所有権の移転を承諾することを証明する書類

これらの書類には、本人署名や捺印が求められる場合が多く、権利移転の合意の証拠として扱われます。

確定申告書の作成

譲渡所得に基づき、確定申告書を作成します。申告書は以下の形式が必要です。

 

■ 確定申告書B : 一般的な申告書

■ 譲渡所得の内訳書 : 不動産売却に関する詳細を記載

■ その他関連書類 : 取得費や譲渡費用に関する領収書や契約書のコピーなど

確定申告の提出

確定申告は、通常その年の翌年の2月16日から3月15日までに提出します。税務署に直接持参をするか、e-Tax(電子申告)を利用できます。

納税

申告後に計算された税額を、所定の期限内に納税します。納付方法は銀行振込やクレジットカードなどから選択可能です。

この流れを踏まえて、必要な準備を進めることでスムーズな不動産売却の手続きを行うことができます。

なお、確定申告に関してご不明な点がございましたら、まるお不動産のスタッフが書類等の記入例をアドバイスさせていただきます!ぜひご相談ください。